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小平市の二つの廃駅 [大手民鉄]

新宿から西武線で30分程乗ると小平という町に着く。
かつてこの地には現在の小平駅を挟んで西と東に本小平(もとこだいら)駅と東小平駅という二つの駅があった。

●本小平駅は多摩湖鉄道の萩山駅から分岐する支線の終端として開業し、現在の小平駅下り方すぐ隣りに設置された。西武線とは踏切のある道路を隔てて徒歩連絡で、両社の確執があってこのような形になったという。
その場所は現在の小平1号踏切と小平2号踏切の間と推測されるがその痕跡は全くない。現在の拝島線の線路のある辺りだろうか。google mapで検索すると「本小平駅跡」の表示が出る。

後に多摩湖鉄道は現在の西武鉄道に吸収されて小平駅も一つに纏まり乗り換えも便利になったが、一支線に過ぎなかった小平へのヒゲ線は拝島線の開業に伴いその一部に組み込まれて大きく変貌を遂げ、分岐点であった萩山駅の位置も分岐方向も変わり名物だったデルタ線も消滅した。

本小平駅:1928(昭和3)年開設、1949(昭和24)年、現小平駅と統合。

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奥が現小平駅と小平1号踏切、右2本が拝島線の線路。:小平2号踏切より撮影

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現在の保線区の場所が旧萩山駅跡。左へカーブすると現萩山駅で正面奥に拝島線の線路、かつては右方へ本小平への線路が伸び一時期デルタ線を形成していた。


●東小平駅は旧西武鉄道時代の西武線と青梅街道の交点付近に設置された駅で公立昭和病院への通院患者の利便を図ったものだ。また戦後の一時期、かの有名な「黄金列車」の取り扱い駅の一つでもあり積み荷!の貯留槽もあったそうだが貨物列車廃止後約1年半で廃駅となった。

余談ながらここは西武線随一の隘路で青梅街道の踏切が鋭角に交わるのを緩和するためにその前後区間が半径300メートルのS字カーブになっていて列車は時速50キロ制限を受ける。折角花小金井から快調に飛ばしてきたのに、あと少しで小平というところで減速を強いられるのだから恨めしい。

東小平駅:1940(昭和15)年開設、1954(昭和29)年廃止。

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草生している所がかつての東小平駅跡。貨物駅も併設され「黄金」が溜め込まれていたという。:青梅街道の踏切より下り方を望む

両駅とも短命に終わった不運な駅だった。時代の変遷とともに駅の改廃は多々あるが、廃止後それ程経たぬうちに武蔵野線新小平駅が誕生した。東京西郊の小さな町、小平は余程駅に縁のある場所なのだろうか。
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