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路面電車は馬糞の香り? [大手民鉄]

都電の軌間(線路の内側の幅)は4フィート半(シブロク)で、これは別名馬車軌間という。創業当時(明治時代)は馬が小さな客車を牽く馬車鉄道だったのでそう呼ばれる。
しかし流石に1馬力や2馬力では力不足だったようで、また動力源の「落し物」も問題視され、動力は程なく電気に替わった。

東京市内に路線網が拡充すると、郊外に路線を持つ私鉄も都心へ直通を考慮して、路面電車規格の玉川、京成、京王は馬車軌間を採用、標準軌だった京浜も都心直通のため一時馬車軌間に改軌した時期があったが湘南への直通時に元へ戻した。

戦後になって京成は地下鉄と相互乗り入れ時に京浜に合わせ全線を標準機に改軌した。玉川は地下鉄に取って代わり姿を消し、支線の下高井戸(世田谷)線だけが残った。
馬車鉄本家の都電はほぼ全滅。皮肉なことに元は私鉄の王子電車だった区間のみが存続し、荒川線と名が変わった。近頃は桜トラムとか言うようだがピンとこないし誰もそう呼ばない。

創業以来大きな変革のなかった京王だけは路面電車から高速鉄道に変貌した今でも馬車軌間のままで、直通する都営地下鉄もそれに規格を合わせた。
今も残る馬車軌間。新宿駅の地下ホームに馬車が停まったらさぞや面白かろう。香しき落し物は困るけれど。
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